オンライン診療ってやったことありますか?
オンライン診療自体知っていますか?
スマホで病院を受診して、必要であれば処方箋を受け取れるシステムです。
コロナ渦になってオンライン診療を行うところが一時的に増えましたが、結局オンライン診療をやめたところが対多数のようです。
私が勤めている医療機関でもコロナ渦で一時的にオンライン診療を行いました。
やってみた素直な感想としては、これは定着しないなぁと思いました。
定着しない理由
まず第一に患者さんの診療時間は一定ではないことがネックになりました。
患者さんの診察内容によっては、5分程度で診察が終わることもあれば、10分、20分かかることもあります。
そのため、予約枠を15分程度で取ったとしても、5分程度で診察が終わってしまい、時間を持て余してしまったり、逆に時間が押してしまい、話の途中で巻きで終わらざるを得ず、電話で続きの説明を行って対応したこともありました。
また、時間通りに診察が始められないということもありました。
時間になって回線をつないでも、患者さんが接続してこないということがありました。
予約時間に待ってくれている人が殆どでしたが、そのタイミングに車で運転中という人もいた為、オンライン診療に対して、診療を受けているという感覚が薄くなってしまっている人もいるようです。
年齢的な部分
オンライン診療を始める前は、若者しか利用しないと思っていました。
実際行ってみると、70歳以上の年配の方も多く利用されたことに驚きました。
そもそも若い人はあんまり病院にもいかないから、必然的に利用者は年配になります。
そのため、印象的には半数以上は70歳以上だった気がします。
年配の人には縁がないシステムだと思っていましたが、今の年配の人は黎明期のパソコンを使ったという人も多いようなので、使える人は想像以上に多いように感じました。
費用対効果
オンライン診療自体のランニングコストは微々たるものなので、特に問題ではないのですが、
普段の診察であれば、次々への診察ができるものを、オンライン診療にすると、予約枠を15分と設定した場合は、1時間に4人しか診察を行えないことになります。
基本的に診療コストは決まっているため、4人の患者さんをみただけでは、医師の時給を払えません。
予約枠を10分にしても厳しいと思います。
オンライン診療を始めた時に、メーカーの人からどの時間帯に行うのがいいのか聞いてみました。
回答としては、朝の診療時間前や休憩時間帯、診療時間終了後に行っている所が多いようですという回答でした。
本気か?と思いました。
社会人になるまでは、他がやっていない時に営業した方が儲かるのにとか思うような学生でした。
また、銀行とか平日の3時までとかに閉まっちゃうなんて、殿様商売だなと思っていました。
銀行も窓口での仕事が終わった後に色々な業務があり大変だということを社会人になってから知りましたが、病院も診療が終わった段階ですぐ帰れるのではなく、そのあとの業務も多々あります。
オンライン診療はそのあとの処方箋の郵送の手配など、その場で終わる仕事以外の部分がいくつもありました。
また、一番給料の高い医師の拘束時間も増える為、オンライン診療を行ってしまうと、病院自体の財政を圧迫させる原因になりかねません。
オンライン診療の今後
正直隙間時間で行えるほど楽ではなく、患者さんにとってはメリットがあるかもしれませんが、医療現場で対応できるシステムではないことが分かりました。
最近ではDMMがオンラインクリニックと銘打ってCMで放送していますが、実際に内容を確認すると、自由診療の内容しか行っていませんでした。
保険診療では成り立たないことを知っているんだと思います。
前回と同じお薬の処方のみという場合だけであれば、何とかやっていける可能性はありますが、果たしてそれは診療と言えるのか疑問です。
オンライン診療の点数を上げたり、空いている病院の空き時間に行うのであれば、やっていける可能性がありますが、今のままでは絶対に続けられるシステムではなかったのが現実です。
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