診察の完全予約制について

私が働いているクリニックで、土曜日のみ試験的に完全予約制にて診療を行いました。

やる前は、医師やスタッフの負担は減るけど、診療数は減る可能性が高いので、赤字になるだろうと考えていました。

診療数が減ってしまっては、医師やスタッフの給料を賄うことができないので、私が働いているクリニックでは導入が難しいシステムだと思っていました。

いざやってみると事前準備を始め、色々と難しいことが多くありましたが、結果としていい点と悪い点が見つかりました。

まず意外な発見としては以下になります。

・完全予約制で予約を取った患者さんはウェブ予約を含め、殆どドタキャンをしませんでした。

10%ぐらいの方は結局来ないのかなと思っていましたが、来なかったのは3,4%程度でした。

・完全予約制で予約を取った患者さんは殆ど時間通りに来院してくれる。

完全予約制で予約を取った患者さんは、予約時間通りに来院される方が殆どでした。

そのため、医師やスタッフがいる時間帯は予約枠を多く用意し、不足する時間帯は予約枠を少なくすることで、混雑の波を抑える事ができます。

通常の診療では午前中と夕方に患者さんが集中してしまうため、その時間帯は待ち時間が長くなってしまい、患者さんの不満を増してしまっていました。

混雑状況をコントロールすることで、患者さんの満足度も増すことができました。

悪い点としては予期せず長い診療が必要になった患者さんに対しての対応がしにくくなることです。

完全予約制となると、1時間に6人と診察時間をある程度決めて診察をする事になるので、急遽処置が必要になった患者さんに対しての対応が後手に回る事がありました。

処置をする患者さんに待ってもらうか、その後の診察を待っている患者さんに事情を説明して待ってもらうかの二択となる為、必然的に満足度を低下させる事になります。

急遽処置が必要な患者さんが来ることを想定して、予約枠を少なくしてしまうと、必然的に診療効率が悪くなります。

不測の事態に対応できる余裕と、診療効率の塩梅が難しいと思いました。

ただ、現在の診療では場合によっては1時間以上診察を待たせてしまうことも多い為、完全予約制の導入はかなりメリットを感じました。

予約枠によっては現在の診療よりも診療効率を上げられ、保険点数を増やすことができるという可能性が見えてきました。

今後も完全予約制を広げていくかは、院長の判断次第にはなりますが、やる価値はあると思いました。

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